オーパ!! 世界を釣るシリーズ 第2弾
「PALAU」
去年の3月、まだあのインド洋大津波におそわれる前のプーケットに行って釣りをした。そしてあれから1年半、また、海外で釣りをする機会が訪れた。事務所協会の事務局の大物釣り師I君からパラオへGTを釣りに行かないかと誘われ二つ返事で行くことになったのだ。実は前回のプーケットの場合は、家族旅行のついでに釣りをしたという感じだったが、今回は本格的な海外遠征だ。4泊5日の日程で中3日間は釣りまくるという計画 だ。
パラオといってもダイビングや釣りをしない人にとってはあまりなじみのない所だと思うが、グアム島の南西、フィリッピンの南東にある200以上の島々からなる珊瑚礁に囲まれた小さな国でかつては日本の統治下にもおかれたこともある。正式にはパラオ共和国という国名だが、ここはルアーフィッシングの究極のターゲットであるGT(ジャイアントトレバリー)をねらうアングラーにとっては聖地ともいえる所なのだ。ここに事務局のI君と友人のセールスマンのI君そして私の3名の釣バカが訪れた。
10月7日(金)
成田をAM10時30分発のグアム行きのコンチネンタル航空は3時間ちょっとで目的地に着く。そこでパラオ行きの飛行機に乗り継ぐのだが、グアムで乗り継ぎに2時間以上待たされるため、パラオに着くのは夜の7時頃になる。
今回の旅で利用するホテルはリゾート地であるパラオとはいえ、釣りが中心であるため、コロール島のダウンタウンのはずれにあるスタンダードのホテルの1室にエキストラベッドをいれてもらい3人で利用することにした。
ところで今回一緒に行く二人についてだが、年はまだ30代前半なのだが、大物釣りにかけては私よりずっとエキスパートだ。
私の釣りバカ度もかなりのものだと思うが、二人はその上を行く。私が超えていない一線を彼らは越えてしまっている。彼らは独身で嫁さんはいない。釣りと結婚してしまったようだ。今後、本当に結婚して釣りと離婚するか、独身を貫いて釣りを続けるか。彼らにとってどちらが幸せかは判断が難しいところだ。
中国の故事に次のようなのがある。
『一時間幸せになりたかったら酒を飲みなさい、三日間幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい、八日間幸せになりたかったら結婚をしなさい、永遠に幸せになりたかったら釣りを覚えなさい』
10月8日(土)
釣行初日、今回のフィッシングガイドのアドルフが朝8時半にホテルに車で迎えにくる。釣りにしては比較的遅めのスタートだ。時間があるのでホテルの近くを散歩する。ボートがある港は車で5分ほどの入り江にある
ホテル近くの入り江。マングローブが生い茂る。
今回利用したウエストプラザデセケルというホテル。1階がスーパーになっていて便利だった。
今回利用したフィッシングボート。30フィート弱で3人でちょうどよい大きさ。さあいよいよ出発だ。大物が本当に釣れるのか、期待と不安が入り交じる。
人間離れした視力を持つガイドのアドルフ。はるか先の水中のベイトを見つけ出す。
ポイントは港から30分くらい沖に出たリーフ(珊瑚礁)まわりだ。遠くにはロックアイランドを望む。
100グラム以上のポッパーを中心に思いっきりキャストする。そして水しぶきを上げながらルアーを引く。炎天下の中、長時間の釣りはかなりハードだ。
パラオでのファーストキャッチは私が釣った1mくらいのバラクーダだった。あまり大物に縁の無かった私にとっては経験したことのないのひきだった。
事務局に何か大物がヒットした。
正体はサメのすれがかりだった。この後、小型のバラクーダは上がるものの本命のGTの顔がなかなか見れない。
しかし、昼食後、しばらくしてついに私が本命のGTをキャッチした。もっともGTとよぶにはちょっとかわいいサイズだが、人生初GTに喜色満面。
そしてこの後、私に大物のGTがヒット。すざましい暴力的なひきに体が海に引き込まれそうになる。アドルフが後ろからサポートしてくれるが、ロッドを支えてるだけで何もできないままドラグが鳴り、ラインがだされ、ついにはフックアウト。回収したルアーのフックは曲がり、スプリットリングが変形していた。
終了近く水深1mも無いようなシャローでセールスマンがGTをキャッチした。私がキャッチしたGTよりは大きいが満足いくサイズではない。
この後、事務局がバラフエダイをヒットさせたが、取り込みに失敗する。これを最後にこの日はストップフィッシングとなった。
アドルフと相談し、明日はちょっと遠いがあまり人の行かないシークレットポイントに行くことにした。
この日は前日より少し早い7時40分ころホテルに迎えに来てもらう。今日も天気がよく、凪もいい。
リーフの内側は海と言うより湖のようだ。空が海にとけ込み、空と海の境界線がなくなる。
ポイントへは約1時間の航程だ。
ポイントはリーフまわりだ。遠くのリーフを探すときは雲を見る。緑に染まった雲の下がリーフだ。
この日は事務局が1投目からバラクーダをキャッチし、続いて巨大なグルーパー(ハタの一種)をキャッチした。こんなのがトップで食ってくる。
次にセールスマンがカスミアジをキャッチした。ブルーの宝石をちりばめたような模様の美しい魚だ。
事務局が大物をヒットさせた。ドラグが悲鳴をあげる。大物GTを確信したアドルフがサポートに入る。
10分くらいの格闘の末、巨大なGTが浮かんできた。キャッチしたのは30キロオーバーの大物だった。目の前で見るGTのものすごい迫力に人ごとながら感激。
次にセールスマンがバラフエダイをキャッチした。こいつもよく引くリーフの好ターゲットだ。
そして、事務局のルアーをなにか巨大な魚がチェイスしてきた。ポッパーをくわえ上がったのはなんとナポレオンフィッシュだった。
こいつも30キロ近くある。今日は事務局は絶好調だ。そしてここまで私一人が蚊帳の外という感じ。
ここまでノーヒットの私は釣り座をミヨシ(船の先端)に交代してもらい、まもなくヒット!昨日のGTほどではないにしろ強烈な引き。セールスマンにサポートしてもらうが、ロッドを支えるだけで、リールは巻けずラインがでていく。根ずれによるラインブレークが脳裏をかすめるが、なんとかポンピングして浮かすことに成功。
キャッチしたのは20キロくらいのGTだ。事務局のと比べるとちょっと見劣りするが、夢だった膝の上にのせて写真をとることができるくらいのGTをキャッチできて大満足。
この後は3人で順調に色んな魚をキャッチした。この日私が使った主なルアーはポッパーはパンプキン、そしてペンシルはイワシカラーのトビペンだった。特にトビペンはシャローで色んな魚がヒットし、当たりルアーだったが、途中でバラクーダにもってかれた。それにしても南国の魚はなんてパワフルなのだろう。1匹釣り上げるごとに体力を消耗し、休憩しなければ体がもたない。
宝石をちりばめた模様のカスミアジ
バラフエダイは2匹キャッチした。
これはキツネフエフキという魚だそうだ。
最後に事務局がキャッチしたスジアラ。