3R.(11月25日)


3日目、最終日の今日は未だ暗い5時半の出港。夜明け頃にポイントに着きGTゲームから開始する。GTことジャイアントトレバリーはルアーフィッシングのターゲットとしては最高峰に君臨するあこがれの魚だ。

ポイントは米軍演習場。ここの海域は土日のみ立ち入りが許されている。平日に入ると標的にされるという怖いポイントだ。ここに波に洗われる岩礁がある。この岩礁の廻りの浅場がGTのポイントだ。


後のない二人、大物GTを釣って一挙に逆転を狙いたいところだ。

ジャイアンとイカオヤジの投げるポッパーの間でのび太が投げていたGTガンマに海面を割って巨大GTが炸裂した!!


二つのポッパーがティーザーの役割をしたのかもしれない。しかし、慎重にあわせを入れ、ミヨシに移ってファイトを開始した直後、根ずれによるラインブレーク。慎重に行き過ぎたか・・・・・・(T_T)。

高価なルアーを銜えたままGTは逃げ去った。


それから10分くらいして今度はイカオヤジのオークションで買ったトビポップにGTがヒット!!

冷静に2度ほど上向きにフッキングを入れ、頭を持ち上げる。このオヤジ案外できるのかも?いや、そんなわけ無いはずだ。


しかし、イカオヤジはこれから地獄の苦しみを味わうことになる。GTを深場へ引き出すため、キャプテンは船をバックさせる。ドラグが悲鳴をあげ、ラインがどんどん出て行く。両手でロッドを持ち腰を落として耐えるしかない。しかし、ソルティガZ4500Hには200mしかラインは捲いていない。途中でドラグを締める。ますます体に負荷がかかる。ドラグの悲鳴が小さくなると

「こっ、腰が~~~!!」

今度はイカオヤジが悲鳴を上げる。

しかし、なんとか深場に引き出すことに成功した。GTは依然と抵抗を続けるが、一瞬ひるむ時がある。その時、ポンピングしてラインを巻き上げる。しかし、思い出したようにまたラインを出していく。そんなことを何度か繰り返しながら徐々にGTとの距離を詰めていく。


イカオヤジの体力ももはや限界かと思われた時、巨大なGTが海面に姿を見せた。

最後の力を振り絞りイカオヤジはロッドを持ち上げリールを巻き取る。そしてついにキャプテンナリトがリーダーをつかみGTの口にギャフをかけ船に引きずり込んだ。

次の瞬間、全体力を使い切ったイカオヤジはシリから崩れ落ちた。


キャッチしたGTは35キロのビッグワン。イカオヤジにとっての自己最高記録はもちろんだが、日本の海でこのサイズをキャッチするのはゴルフでいえばホールインワンと同じくらいの価値がある。

ついにイカオヤジは金字塔を打ち立てた。見よ!この満足げな顔。もはや勝利は間違いない。

ついにイカオヤジは金字塔を打ち立てた。見よ!この満足げな顔。もはや勝利は間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

精悍なGTの面構え。多くのアングラーがあこがれるのがよくわかる。この後、戦った相手に感謝し元の海にお帰りねがった。


すっかりあおられた二人は懸命にキャストを繰り返す。一方、イカオヤジは体力を消耗したこともあって、余裕の観戦。

 しばらくして、ジャイアンのポッパーが船から15mくらいまで近づいて来た所で海面を割ってGTが炸裂した。しかし、一瞬でリーダーが切れ、高価なシーフロッグとともにGTは消えた。これを最後にGTは3人の前に姿を見せることは無かった。

 結局、3人に1回ずつヒットがあったわけだが、チャンスをものにしたのはイカオヤジだけだった。「安いルアーはロストしない。」という法則を利用したイカオヤジの老練さが勝因か。


終盤は島廻りに移動し、カンパチねらいのジギングをする。ストップフィッシング寸前、ジャイアンのスーパーヘビーロッドが根本から絞り込まれた。メークドラマとなるか。

しかし、数分のファイトの後、またもやラインブレーク。リーダーがギザギザだった。正体は巨大なイソマグロだったようだ。

これを最後に3日間に渡る壮絶な戦いが終わった。


左はキャプテンが前日釣った20キロのキハダ。イカオヤジがお土産にもらった。

終わってみれば、なんとイカオヤジの一人勝ちだった。この夜は居酒屋でキャプテンナリトとアシスタントのユミさんを囲んでの打ち上げパーティー。イカオヤジは勝利の美酒に酔いながらもイカを釣りたかったとぼやいていた。